最終更新日 2023年1月15日
どうも、FXトレーダーのドン(@Don_trader666)です。
今日はFXトレードにおける心理とルーティンの重要性について語っていきます。
FXでは自分のお金を賭けてトレードしますが、人間はお金が絡むと心理と感情の起伏が大きくなります。
これは一度でもトレードしたことがある人ならわかると思いますが、エントリーして損失が大きくなると嫌な気分になり、利益が大きくなると気分が良くなりますよね?
トレードで負けると自分にはセンスがないと思ったり、逆にトレードで勝つと自分にはセンスがあると思い込んだりします。
これはFXに「お金」が絡んでいるからこそ起こることであり、極端なことを言うと、人はお金が絡むとバカになるんです。
そのことを証明した理論として、心理学者であるダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」というものがあります。
プロスペクト理論はFXをする上でとても重要な心理理論なので、ザッと説明していきます。
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論についてイチから説明するのは手間なので、簡単にウィキペディアから引用します。
少々長いですが、FXにも役立つのでぜひ読んでみてください。
プロスペクト理論は、たとえばファイナンスおける意思決定 などにおいて、人々が既知の確率を伴う選択肢の間でどのように意思決定をするかを記述する理論である。
行動経済学における最も代表的な理論の一つとして知られており、最適解を求めることよりも、現実の選択がどのように行われているかをモデル化することを目指すものである。
つまり、個人が損失と利得をどのように評価するのかを、実験などで観察された経験的事実から出発して記述する理論である。
プロスペクト理論では、二種類の認知バイアス を取り入れている。
一つは、「確率にたいする人の反応が線形でない」というものである。
これは、期待効用理論のアノマリーで「アレのパラドクス」 としてよく知られている。
もう一つは、「人は富そのものでなく、富の変化量から効用を得る」というものである。
これと同様のことを、ハリー・マーコウィッツ は1952年に指摘している。
プロスペクト理論の元となった実験は、カーネマンが「一つだけの質問による心理学」と呼ぶ手法による。
この手法は、心理学者のウォルター・ミッシェルが用いた方法を参考にしたものである。
たとえば、以下の二つの質問について考えてみよう。
質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。
質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値 は100万円と同額である。
にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。
質問2も両者の期待値は-100万円と同額である。
安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測される。
しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を選ぶことが実証されている。
この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向があるということである。
質問1の場合は、「50%の確率で何も手に入らない」というリスクを回避し、「100%の確率で確実に100万円を手に入れよう」としていると考えられる。
また、質問2の場合は、「100%の確率で確実に100万円を支払う」という損失を回避し、「50%の確率で支払いを免除されよう」としていると考えられる。
人間は不合理な行動で溢れている
長々と引用しましたが、結局何が言いたいかと言うと、人間は損失回避に対する行動が下手ということです。
そしてそれは、FXにおいて致命的な失敗につながります。
でも、プロスペクト理論を知っておくと、大きく損をしたり、損をする可能性に対してどのように対処すればいいかを考えることができます。
人間の意思決定は経済学が提唱するような形でおこなわれるのではなく、もっと複雑で不合理で人間的なものです。
合理的に考えればあり得ないことでも、現実の世界では不合理なことばかりで溢れています。
経済学がモデルとする人間は、あらゆる面において合理的な行動しかとりません。
ですが、プロスペクト理論が示すとおり、経済学がモデルとするホモエコノミクス(経済人)はこの世に存在しません。
人は体に悪いってわかっててもタバコを吸うし、ダイエットしてるのに甘いスイーツとかも普通に食べます。
経済学がモデルとする人間は、こうした不合理な行動はとらないと仮定していますが、現実の人間は感情に振り回されて不合理な行動を取ったり、突発的な欲望に負けたりするのです。
FXは自分のルーティンをどれだけ守れるか
ぶっちゃけ、FXは自分なりのトレードのルーティンを作り、ルーティン以外のトレードをどれだけ我慢できるかにかかっています。
相場がどんな動きをしたとしても、自分の思惑とは全然違う方向に動いたとしても、感情に振り回されたトレードをいかに減らすか。
初心者は裁量トレードで勝つことはできないと思い、FXブログとか有名なインフルエンサーのシステムトレードとかに釣られる人が多いです。
でも、システムトレードのほとんどは期待外れのパフォーマンスになるのがオチです。
実際に高いパフォーマンスを出している時期があったりするのも事実ですが、逆に嘘のパフォーマンスを書いているのもたっくさんあります。
正直な話、FXは感情的な行動を減らし、ルーティンどおりに行動すれば裁量トレードでも勝てます。
FXで負けている人のほとんどは、「勝ちたい欲望」と「負けたくない欲望」が強すぎて、トレードが損大利小になってるケースがほとんどです。
そこを改善するだけでも、トレード成績は劇的に変わります。
トレードで勝てる人より勝てない人が圧倒的に多いのは、FXがギャンブルだからではなくて、エントリーする根拠があるわけでもないのにエントリーしたり、損切りを設定せずに戻ってくるとタカをくくったり、過去にナンピンで助かった経験から戻ってくる可能性に賭けて損失を拡大させてしまっているからです。
まとめ:トレードは優位性の高いところ以外はやらないこと
実際、勝ってる人は最低限自分のトレードルールが決まっていて、それ以外の部分ではエントリーしません。
損切のラインも明確で、自分の思惑から外れたらロボットのように機械的に決済しています。
本当に勝ちたいのであれば、優位性の高いところでしかやらないこと。
さらに、負けている人によくありがちなのは、「〇〇円負けてるから、このエントリーでは最低〇〇円は取りたい」みたいなトレードをしていることです。
プラスになれたところをマイナスになるまで持っていて、結局マイナスで損切りするみたいな支離滅裂な行為をして自滅してます。
そうしたルーティン以外のトレードを我慢するには、トレード画面から見える場所に「やってはいけないこと」を大きく書いて貼っておくのがおすすめです。
これは僕も実際にやってましたが、エントリーするか迷ったときはまずそのメモ書きを見て、条件をすべてクリアしているかチェックしてからエントリーしていました。
慣れれば機械的にエントリーポイントがわかるようになりますが、慣れるまでは不合理な行動をとりがちなので、すぐルールやルーティンを破る人はぜひやってみてください。
と、今日はこの辺で。
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