人間関係の問題は「白銀律」ですべて解決する。

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最終更新日 2024年5月22日

毎日の日常が自分の解釈次第でどうにでもなるものだとすれば、いい気分で毎日を過ごすためには行動に気をつける必要がある。

よく言われるように、他人にとっていい行動をすれば気分が清々しくなり、「いいことをした」という事実により幸せな気持ちを実感できるだろう。

逆に、自分だけのことを考え、自分にとっていいことばかりして他人に関心を抱かずにいれば、だんだんと精神的に疲弊していき、いつかは嫌気が差してくる。

アドラー心理学の創始者であるアドラーは、「幸せになりたいのであれば、他人のことを考えて行動しなさい」と説いている。

また、「自分のことしか考えない人はネガティブな感情に苛まれる」とも述べている。

アドラーは人間関係について独自の観点から考え、人生の悩みのほとんどは人間関係によるものだと言っている。

これは個人的にも激しく同意できるものである。

 

人間関係は白銀律でうまくいく

人間関係の問題を解決する方法には、古代から伝わるおすすめの答えがある。

すばり、白銀律だ。

白銀律とは、「自分がしてほしくないことは、他人にするなかれ」という原則である。

「自分がしてほしいことを他人にしなさい」というのは黄金律だが、黄金律は人間関係においては役に立たない場面が少なくない。

なぜなら、自分がしてほしいことが他人もしてほしいとは限らないからだ。

一方、白銀律は「してほしくないことを他人にもしない」という原則であり、してほしいことは人それぞれ違っても、「何をされたら嫌か」はほとんどの人間で同じである。

盗みや暴力、誹謗中傷などがまさにそうだろう。

白銀律は人間関係において、「相手の嫌なことはしない」という至極当然の原理を説いているルールである。

現代では自分のことばかりを考える人が増えているが、ちょっと視点を変えて「自分が嫌なことは他人にもしない」だけで、人間関係はおどろくほどうまくいくのだ。

 

白銀律は幸せの感受性を高める

冒頭では、気分よく過ごすためには自分の行動に気をつけるべきと述べたが、それはつまり、白銀律に沿って行動を起こすべきということである。

白銀律を前提に人と接すれば、他人に害を与えずに良好な人間関係を築くことができ、その人間関係によって毎日を満たされた気分で過ごせる。

満たされた気分は、周りの出来事をポジティブに解釈させる楽観的思考をもたらすという効果もある。

つまり、白銀律に沿って行動するだけで幸せ感受性が高まるのだ。

新約聖書のマタイによる福音書には、「善行は隠れておこなうもの。そうすれば天国の父があなたを守ってくれる」という記述がある。

これは、善行というのは周りの目を気にしたり、他人の評価を気にしたりしておこなうものではなく、誰にも知られずにおこなうのが本当の善行である、ということだ。

何かしらの見返りを期待しておこなう善行は善人による行為ではなく、ただの偽善者に過ぎない。

善行に余計な感情があると、自分の中にも善以外の感情が湧いてくる。そしてその感情は幸せの感受性を低下させる。

幸せの感受性は、本心から他人のために行動してこそ高まるものなのだ。

他人のために生きることが、自分のために生きることになる。

2024年5月10日

 

白銀律は古代の知恵

人間関係についての考えは、何も現代において議論されるようになったわけではない。

人間関係は古代から哲学者などによって幾度となく議論されてきた問題であり、社会や宗教の中でも隣人やコミュニティの大切さについて長い間語り継がれてきた。

白銀律はそうした古代の知恵のひとつである。

昔は隣人やコミュニティ内部の人を裏切れば、そのコミュニティから疎外されてしまい、文字どおり生きていくことができなかった。

そのため、昔の人たちは現代人よりも人間関係を大事にしていたのである。

現代のSNSでは匿名性をいいことに、他人に対して暴言や誹謗中傷をおこなう人が絶えない。

顔と名前が知られていないことをいいことに、「何をしても問題はない」「他人がしているから自分もやって大丈夫だ」と勘違いしている輩がわんさか沸いている。

そうした人たちは、自分以外にもやっている人がいるから大丈夫だと思い込んでおり、多数決主義に基づいて自分の行動を決定している。

たとえ自分がされて嫌なことであっても、多数派の行動であれば許されると思っているのだ。

白銀律とは真逆の行動である。

 

白銀律は良好な人間関係の潤滑油

人間関係の悩みは白銀律ですべて解決できる。

穏やかな日常も、偽善者にならず本心から他人のために行動することで手に入る。

一番やっちゃいけないのは、自分の価値観を押しつけたり、他人の価値観を否定したりすることだ。

黄金律の「自分がしてほしいことを他人にしなさい」というルールは、価値観が同じ相手であれば喜ばれるかもしれない。

だが、現代では価値観は多様化しており、何が好きで、どういう生き方をしているのかは人それぞれ違う。

価値観が多様化した世界では、黄金律が活躍する場面はそう多くはない。

しかし、白銀律であれば、マゾヒズムやサディストでもない限りは「されて嫌なこと」は多くの人に共通しているのでうまくいく。

人間関係に悩んでいる人は、自分の願望ではなく自分の立場に立って行動を考えてみよう。

白銀律は良好な人間関係の潤滑油なのである。

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